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  混迷編 1.『運命』などありません。あるのは、「心の姿勢(クセ)」だけです。
 

人は「自分では変更できないこと」や「偶然起こったこと」に対して、『運命』と名づけます。しかし、今この瞬間のやろうとしていることや頭に描こうとしているビジョンや行動の方向は、実は、今のあなたが「好きで選び取っていること」なんです。決して、偶然に起こったことや他人あるいは他の何かが決めたことではありません。
ですから『運命』などありません。あるのは、「心の姿勢(クセ)」だけです。

この「心の姿勢(クセ)」は、自分の家、故郷、家族、学校、人間関係、それらの環境が潜在意識に働きかけ、子供時代、青年時代に作られます。この「心の姿勢(クセ)」で生きることにいつしか慣らされ、それが快適になっていったのです。この「快適さ」には、本人が気づいていないことが多く、変更不可能な、「性格」「運命」「宿命」「生まれつき」と呼ぶのです。「快適さ」というのが理解しにくければ、「やり方を知っていて使いこなせること」です。

今までの「心のクセ」は確かに行動によってある程度、確認され、正当化されてきました。しかし、心のクセ、価値、信頼などが、環境によって与えられたものなら、必ず壊されていくのです。ですから今この瞬間はあなたに委ねられているのです。

運命、宿命だと思いこんでいることは、記憶の中の「過去像」に過ぎないのです。未来に関しては、全くその人の想像の産物です。存在しているのはただ「現在」のみで、これを変えること以外の方法はありません。過ぎ去ったことは変えられないばかりか、もともと存在しなかったものと何ら変わりありません。とにかく自分が変えられるのは「今」だけなのです。

しかし、運命や宿命を感じるのは今の自分に対し、自然な流れです。今、「この一瞬前の自分は」過去の結果であり、過去を代表しているのです。それはただ、自然な流れで、代表として今の自分を表現しているに過ぎません。

*「運命は変えられる」といいましたが、問題は「心」です。過去は過ぎ去っていますが、過去の記憶は心の中に厳然としてあります。「こだわるな」と言われてもなかなかできません「過去のことを忘れろ」と言う人には、もっと困ります。運命(と呼ばれるもの)を変えるには、心のクセを変えればよいのです。

   


 

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