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法華経で現在を生きる

蓮の華は、泥水でしか咲きません。その泥水も濃いほど、大輪の花が咲きます。どんなに汚れた泥の中でも、決して汚れや泥には染まりません。咲きそこなう華(あだばな)もありません。100%の蓮がきれいに見事に咲くのです。そして、華と同時に実がつきます。本来、私たち人間もそうなのです。今の時代にこそ大輪の華が咲くのです。
あなたの大輪の華を咲かす方法、それが法華経(お釈迦様の教え)です。

連載第2回 あなたは「火宅の人」です
 

日本経済は少し明るくなったとはいっても、経済の専門家でもない私には、よくわかりません。景気については、皆さん自身でお決めになってはいかがでしょう。
「私の会社の経営状態はどうでしょうか」「私の収入はこれからよくなるのでしょうか」と、思いをめぐらすと、世間はどうあれ、自分の状況だけはわかるでしょう。
さて、もし自分の会社の状況が悪い時、経営者はどうしたらいいでしょうか。ここに3つの解決の方法を挙げることにします。
第1の方法。誰かに救済の手を求めて、一時的に資金提供をしてもらうこと。借金ではなく負債は増えません。そのため経営上に問題があっても、何も手をつけないかもしれません。
第2の方法。どこからか、さらなる借金をして、とりあえず、自力的に解決します。自力て解決しようとする態度はよいですが、借金は増えてしまい、根本的解決を先送りにしているだけかもしれません。
第3の方法。どこかと合併や技術提供などをする方法です。たがいにやれる技術や人材を提供しあったりするのです。前の2つに比べると、いい方法ですが、自分で解決したことにはなっていないようです。
他にも、いろいろな方法があるでしょうが、とりあえず3つの方法を挙げておきましょう。
さて、経営状態の悪い(または問題のある)家や会社を、「火宅」(火事の家)といいます。これは小説「火宅の人」(檀一雄作)で有名になりました。「火宅」とはもともと法華経にあるコトバです。そこで、法華経の「火宅三車のたとえ」を紹介しましょう。

【火宅三車のたとえ】
ある国のある町に、大富豪の屋敷があった。その屋敷は広大だが、門はごく狭く、ひとつしかない。そして家は荒れ果てている。
突然、その家に家事が起きた。日はみるみる燃広がる。家の中には子供たちが大勢住んでいたので、外にいた主人が引き返してみると・・・。子供たちは夢中で遊んでいるのだ。
火に焼かれそうになっているのに、逃げようという気も起こさない。父はそれを見て、
「私に大力があるから。、大きな箱に入れて、外に押し出してやろうか。でも、落ちこぼれたら、死んでしまう。やはり火の恐ろしさを教えて、自分から外に出るようにするのがいちばんだ。」と思った。
そこで父は、「みんな焼け死んでしまうぞ。早く外へ出なさい。」というけれど、みんなチラリチラリ見るだけで、いっこうに出ようとしない。
その時、主人は、みんなが車を欲しがっていることも思い出し、「おまえたちの好きな羊の引く車、鹿の引く車、牛の引く車が門の外にあるよ。欲しい車をあげるから、外に出て行きなさい。」と叫んだ。そのコトバを聞くと、車が欲しいばかりに、子供たちは外に走り出て、焼死をまぬがれたのだ。

【現代に蘇る法華経の智慧】
この話には、続きがあります。外に出た子供たちは自分の欲しがっている車がありません。そこで、子供たちは富豪に対して、モンクをいいます。本来命が助かったのだから、感謝していいところです。すると富豪は3つの車のかわりに、宝石でまぶした大型の車を子供たちにあたえました。
「一人乗り」の3台の車ではなくて、大勢の乗れる大型車だったのわけです。
このたとえ話の中の、火宅は現在の社会です。小さい意味では、企業や家庭や学校でもあります。
大富豪は大宇宙の法則(ほとけ)で、子供たちは衆生(人々)です。3つの一人乗りの車は、自分だけが救われる方法です。大型の車はみんなが救われる方法です。
20世紀から21世紀にかけて、いろいろな意味で荒れ果てていきます。火宅の家事はさらに激しくなってきているのですが、相変わらず、人々は目先の遊びに心を奪われ、危機にすら気がつきません。それでは、地球も滅亡してしまいます。
人類が滅亡の危機から救われる門はひとつしかありません。それはみんなの自覚です。自覚による「三力和合」しかないのです。
さて、冒頭に挙げた企業経営の例ですが・・・。3つの方法は、みな自分が救われたい方法です。3つ目の技術提携でも、じつはせいぜい相手と自分が救われる道なのです。
つまり、みな「一人乗りの車」を欲しがっていて、一人乗りの車は自分は楽しいけれど、自分しか救われません。現世利益といってもいいでしょう。
大富豪の本当にあたえたい車は、宝石でちりばめられた大型車です。つまり、みんなが救われて、しかも価値の高いものなのです。大勢の人の乗れる乗り物を「大乗仏教」といいます。
大富豪(ほとけ)の意志の沿った救いの方法があります。その方法はすべての人にとって価値の高いものです。もしその方法を実践するのならば、その人の中にエネルギーがあふれだすのです。

 
   


 

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